- 福富裕明弁護士
民事執行法の改正

2020年4月から、民事執行法が改正されました。
主な改正点は、①財産開示制度の実効性確保の強化、②第三者による情報提供制度の新設でしょう。
金銭を回収するには、裁判をするイメージだと思います。
裁判で勝っても、そのことだけでは金銭を回収できません。
そこでどうするかというと、その判決をもって、強制執行の手続きを踏まなければなりません。
金銭を回収する方法として、口座の預金債権を差し押さえるという強制執行の手続きがあります。
しかし、これが不便なのです。つまり、〇〇銀行の○○支店の口座○○といったように、口座を特定しないと強制執行ができないこととなっています。たいていの場合は、そんなに口座の情報をもっていないでしょう。
そこで、民事執行法は財産開示制度があり、債務者を呼び出し、そういった情報を聞くことができるものがあります。この場合もちろん、嘘などは言えません。
ここで改正点の1つ目として、嘘などついたときには刑罰が科されるようになりました。
最大、懲役6か月となりました。
また、口座の情報を、債務者に知られずに知りたいというときは、これまでは弁護士照会制度をつかって、各銀行に照会を求めていました。
しかし、時間がかかったり、開示してくれないこともあるので、いろいろ不便でした。
そこで、改正点の2つ目として、裁判所が銀行などに開示を命令することができるという制度が新設されました。
これをされると、債務者は知らないうちに、口座番号、預金残高などが明らかにされてしまい、債権者はこの情報を基に、口座の預金債権を差し押さえることができるようになりました。
かなり実効性のある制度だと思います。
以上のように、債権回収がやりやすくなったので、債権回収を諦めず、弁護士に相談してください。
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